以下は下野新聞(2024年9月18日)に掲載された拙文です。
建築時に大切な維持管理の視点
開館から24年が経つ馬頭広重美術館の老朽化が進んでいるというニュースを見た。改修工事には約3億円という多額の費用がかかるそうで、那珂川町はクラウドファンディングなどで改修工事の資金を集めるという。
今年の7月、初めてこの美術館を訪れた。世界的な建築家の隈研吾氏による設計の美術館は、和風の雰囲気たっぷりでとても美しかった。ただ、木材を使った屋根などの傷みが激しく、維持するのは大変だと感じた。数年前、経営する塾の外壁の改修工事をした。外壁に天然の木を使用することも考えたが維持管理するのが難しいと判断し、このアイディアは断念した。
建築物は建てたら終わりではない。その後、維持管理するのに費用がかかる。建物を建てる際は、デザインだけでなく、このような視点も忘れてはならないと思う。